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自由ソフトウェアにまつわる10の誤解

自由ソフトウェアはますます普及していますが、それに対する認識はいまだに根強い誤解に左右されています。よくある誤解について、ここで改めて明らかにしておきましょう。

「自由ソフトウェアではビジネスができない」

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自由ソフトウェア・ライセンスは、世界中でイノベーションとビジネスを支えています。多くの大企業が自由ソフトウェアに大きく依存しています。自動車メーカーは、自動緊急通報を管理する車載コンピューターに自由ソフトウェアを利用しています。ロンドン証券取引所の取引プラットフォームも自由ソフトウェアを基盤としています。また、世界中の大企業で使用される主要なサーバーの多くも自由ソフトウェアに依存しています。現在の大手テクノロジー企業の中には、自由ソフトウェアなしには存在し得なかった企業もあります。

「自由ソフトウェアはアマチュアが開発している」

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ボランティアによって始められた自由ソフトウェア・プロジェクトが数多く存在することは事実ですが、コードを提供しているのは趣味で活動する人だけだと考えるのは偏見です。自由ソフトウェアに携わる多くの人々は、高度な資格や技能を持つIT専門家です。大企業は、従業員をコードの改善に従事させることで、自由ソフトウェア・プロジェクトに数百万ユーロ規模の投資を行っています。今日では、GNU/Linux オペレーティングシステムの中核である Linux カーネルへの貢献の約90%が、プロの開発者によるものと推定されています。Linux カーネルは一人のコンピューター科学専攻の学生によって始められましたが、現在ではほぼすべての世界的企業にとって重要なITインフラの一部となっています。

「自由ソフトウェア製品には専門的なサポートがない」

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多くの自由ソフトウェア企業が、研修、コードのドキュメント作成、アップデートの開発・導入、個別要件に合わせたソフトウェア・ソリューションなど、顧客向けのサポートサービスを専門に提供しています。専門的なサポートパッケージを求める顧客は、多数の事業者の中から選ぶことができます。自由ソフトウェアは、もはやニッチな存在ではありません。テクノロジー企業は自由ソフトウェアでは収益を得られないというのは誤解です。OW2、OpenForum Europe(OFE)、Open Source Business Alliance(OSBA)などの業界団体には、自由ソフトウェア関連サービスを専門とするヨーロッパの中小企業が数百社参加しています。

「ソースコードを公開するとセキュリティ上のリスクが生じる」

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公開されている自由ソフトウェアのコードは、独立した第三者がセキュリティ上の欠陥や意図的に組み込まれたバックドアの有無を検証できます。コードの公開は、信頼を高めるための手段となります。ソースコードを隠すことで安全性を確保するという考え方は、セキュリティ上の問題を修正するのではなく隠してしまうため、専門家からは有効ではないと考えられています。状況によっては、それ自体がセキュリティリスクとなることさえあります。制限的なライセンスは、有益な支援を遠ざける一方で、悪意ある者の行動を防ぐことはできません。

「自由ソフトウェアを使えばITサービスのコストはゼロになる」

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自由ソフトウェアのコードを再利用すること自体は無償で行える場合があります。しかし、100%自由ソフトウェアを採用した組織のIT費用がゼロになるという意味ではありません。開発や機能追加、サポートサービスには費用がかかります。自由ソフトウェア・ライセンスは、多くの場合、短期的な金銭的メリットだけを理由に選ばれているのではありません。ベンダーロックインを防ぎ、ITに対する自律的な主権を確保するための戦略の一環として選択されています。

「自由ソフトウェアは一般的に使いにくい」

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自由ソフトウェアの代替製品に適切なユーザーインターフェースがなかった時代は、すでに過去のものです。スマートフォンで最も広く利用されているオペレーティングシステムである Android は、自由ソフトウェアを基盤としています。現在のテレビの多くも自由ソフトウェアによって動作しています。世界で最も利用されているウェブサイトの一つである Wikipedia も、全面的に自由ソフトウェアを基盤としています。WordPress、Drupal、Typo3 など、ウェブサイトで広く利用されているコンテンツ管理システム(CMS)の一部も自由ソフトウェアです。

「自由ソフトウェアはプロプライエタリ・ソフトウェアと互換性がない」

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自由ソフトウェアとプロプライエタリ・ソフトウェアは、相互に補完して利用することができます。多くの組織が、一部ではプロプライエタリ・ソフトウェアを、一部では自由ソフトウェアを利用しています。複数のオペレーティングシステムで動作する代表的なプロジェクトとして、Firefox ブラウザー、LibreOffice、VLC メディアプレーヤーがあります。また、自由ソフトウェアのオペレーティングシステム上で動作する非自由ソフトウェアも数多く存在します。非自由ソフトウェアのプロジェクトでは、そのソフトウェアの所有者がどのような互換性を持たせるかを決定します。一方、自由なライセンスでは、企業や個人の利用者が自らの必要に応じて自由に改変できます。

「自由ソフトウェアにはライセンスがない」

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自由ソフトウェアにも、コードの複製や改変について具体的な条件を定めたさまざまなライセンスがあります。自由ソフトウェアの「Free」は、「4つの自由」、すなわちソフトウェアを使用し、研究し、共有し、改良する権利を意味しています。単にコードを公開しただけでは、自由ソフトウェアとはみなされません。こうした自由を他者にも保障するには、適切なライセンスが必要です。

「自由ソフトウェアを利用すると法的リスクが生じる」

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裁判所の判断により、別段の事情がない限り、自由ソフトウェアについて保証を提供する義務はないことが確認されています。ただし、他のライセンスと同様に、自由ソフトウェア・ライセンスにも遵守すべき一定のルールがあります。たとえば、他の利用者がソフトウェアを使用し、研究し、共有し、改良するという4つの自由を行使することを妨げてはなりません。

「自由ソフトウェアは一時的な流行にすぎない」

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自由ソフトウェアは短期的な流行ではありません。むしろ、長期にわたる成功の歴史があります。最初の明示的な自由ソフトウェア・ライセンスは1980年代に公開されました。それ以来、自由ソフトウェアを利用し、コードを提供する個人、企業、組織の数は増え続けています。行政機関に自由ソフトウェアの利用を促し、公費で開発されたコードを自由ソフトウェア・ライセンスのもとで公開するよう求める政府も増えています。ブルガリアやイタリアなど、新たに公費で開発されるプロジェクトは公開コードとして提供すべきであると法律で定めている国もあります。