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公共調達法を再設計する

同じようなサービスを提供する多数のソフトウェア・プロジェクトに行政がそれぞれ資金を投入する必要があるのでしょうか?一つのプロジェクトに集中し、その費用とコードを複数の機関で共有するほうが効率的ではないでしょうか?

EU加盟国の多くは、協働とソフトウェアの再利用を促進するため、行政機関で自由ソフトウェア・ライセンスを利用するためのガイドを公開しています。2016年に発表されたポーランドの電子政府戦略では、公費で開発されるソフトウェアにはオープンなアーキテクチャを採用し、自由ソフトウェア・ライセンスでの公開を検討することが推奨されています。オーストリア政府も2017年の Digital Roadmap で自由ソフトウェアの利用を推奨しています。現在では、このような目標を推進するための公式ガイドがヨーロッパ各国で提供されています。

一部の政府では、すでに法制化に向けた取り組みも始まっています。2004年に制定されたイタリアのソフトウェア公共調達に関する指令では、行政機関がソフトウェアを調達する際、自由ソフトウェアも選択肢として検討しなければならないと定められました。さらに、ソフトウェアの提案を評価する際には、移行可能性、相互運用性、供給事業者への依存度、独立したセキュリティ検証を目的としたソースコードへのアクセス可能性などを考慮すべきとしています。2016年にはブルガリア議会が電子政府法を可決し、政府向けに開発されるすべてのソフトウェアを自由ソフトウェア・ライセンスのもとで公開し、公開リポジトリ上で開発することを義務付けました。同じ2016年には、オランダ議会下院が、行政機関によるオープン標準の利用を義務化する法律を可決しました。将来に向けた具体的な数値目標を設定している国もあります。もちろん、これらの法律にはいずれも例外規定があります。それでも、時代が変化していることを示しています。将来的には、行政において自由ソフトウェア・ライセンスが標準になる可能性があります。2016年11月には、ハンガリー政府が、電子政府におけるプロプライエタリ・ソフトウェアの利用を2020年までに60%削減するという目標を設定しました。

こうした法制度を後押しする最大の力となっているのは、地方レベルで積み重なっている成功事例です。一部の小規模・中規模自治体や大都市では、ソフトウェアコードの共有と再利用がすでに一般的になっています。2015年、ヘルシンキ市は、特に新たなソフトウェア・ソリューションを開発する際に自由ソフトウェアを優先することを掲げた、新たなIT戦略を採用しました。バルセロナ市も2017年、公費で開発されるソフトウェアについて、自由ソフトウェア・ライセンスを標準とすべきだと発表しました。

EUからの支援もあります。2017年10月6日、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)に属する32か国が、電子政府に関する「タリン宣言」に署名しました。この宣言を通じ、EU各国の閣僚は欧州委員会に対し、自由ソフトウェア・ソリューションとオープン標準の利用を強化するよう求めています。特に、EUの資金で特別に開発されるソフトウェア・ソリューションが対象となります。重要なのは、この決定が経済的な理由だけに基づいているわけではないことです。タリン宣言は何よりも、市民の権利と自由を尊重する、利用者中心のデジタル政府を構築することを目指しています。そこには、表現の自由、プライバシー、個人データの保護を受ける権利などが含まれます。自由ソフトウェア・ライセンスは、こうした要請とも非常によく適合します。

FSFE は、自由ソフトウェアに関する法制度について、より詳細な一覧を公開しています。

https://fsfe.org/fs-policies